日本語話せるの?と聞かれた日

ノルウェー留学記

こんにちは!
今日は私も聞かれて最初意味がわからなかった「日本語話せるの?」という質問とその意図について、ノルウェーという環境ならではだなあと思ったことがあったので書いていきたいと思います。

ノルウェーではわりとタブーな「出身はどこ?」という質問

これは私もノルウェーに来てから随分と気をつけるようになったことですが、ノルウェーでは初対面の最初の段階で「出身(国)はどこなの?」と聞くことはあまりありません。これはちょっとややこしい説明になりますが、少なくともノルウェー語で会話ができる人に対してはどこの国から来たの?の意味での「出身はどこ?」という質問は相手から何かノルウェー出身でないことをほのめかされない限り基本的にしないです。これは特に若い世代は神経質なくらいに気を遣っていると感じます。

ノルウェー人は愛郷心がとても強かったり、方言を大事にする傾向があるためノルウェー人同士で「出身はどこ?」という質問は初対面でもよくある会話です。この場合はどこのKommune(日本でいう県みたいなもの)出身なのかという意味であり、出身国を聞いているわけではありません。それと同じでノルウェー語を話す人に対して「Hvor er du fra(どこ出身)?」とノルウェー人が聞く場合は、「どこのKommune出身?」という意味で聞いてくる人が多いです。個人的な経験で言うと、私がノルウェー語を話すようになってからこの質問をされた場合はほぼ全員(大学では100パーセント)がKommuneの意味で聞いてきていました。なので、「日本出身だよ」と返すと「いや違くてノルウェーのどこで育ったの?」と訂正まじりの追加質問をされるか、(考える沈黙タイム)からの「…えーっと…日本?え、でもこっちに長く住んでるでしょ?」と聞かれるかで、相手のことをノルウェー人でないと勝手に判断してはいけないが故の慎重さがかなり伺えます。

ノルウェー人「らしさ」

移民が多いノルウェーでは「何をもってノルウェー人とするか」ということが度々話題になった時期がありました。ノルウェーで生まれればノルウェー人なのか、両親がノルウェー人であればノルウェー人なのか、ノルウェー語を話せばノルウェー人なのか、両親がノルウェー人でもノルウェー外で生まれて一度もノルウェーに来たことのない子供は完全にノルウェー人だと言えるのか、などなど…。また、見た目で言えばブロンドで青い目を持つ人だけがノルウェー人なのか。

今の若い世代は特に、学校に移民や養子としてノルウェーで育った同級生がいたことが割と当たり前で、「ノルウェー人」というのは見た目では判断できないことを身をもって知っています。また、人を見た目でノルウェー人でないと断定しようものなら人種差別的と判断されかねないので、その辺りは特に慎重で、ノルウェー人なのかあやふやな人にはわざわざ「Hvor i Norge er du fra?」と、「ノルウェーのどこ出身なの?」と意味を履き間違えて取られないように聞いたりします。

その辺りは本当に徹底していて、私は出身国を全然聞いてもらっていい派なのですが、逆に出身を聞かれなすぎて自分から言うことの方が多いです。

日本語話せるの?

一番考えさせられたのは、「日本語話せるの?」と聞かれた時。自分の中では当たり前すぎて質問された時は意味がわからないほどでした。その時は「いや、日本人だし両親とも日本人だから」と返したものの、それでも「うん、でも流暢に日本語話せるの?」と追って聞かれたことで自分の浅はかさを反省しました。

ノルウェーでは両親がノルウェー人でなくても、ノルウェーで生まれ育つことで両親の出身国の言語を習得しない子供もいます。そういった子にとってはノルウェー人としての自分がアイデンテティであり、母国語もノルウェー語になります。両親の出身国や国籍がノルウェーじゃないんだから、子供であるあなたもノルウェー人ではないでしょう、ノルウェー語以外の言語も話すでしょうと勝手に推測するのはタブーなんです。そんなことを後から考えて、そういえばその質問をしたのもフランスとノルウェーのハーフの子だったなあと思うと、私も勝手にハーフだから両親の母国語どっちもできるだろうなんて当たり前のように考えてはだめだと反省しました。

その子の目の前の人のことを純粋に知ろうとする姿勢は本当に素敵で見習いたいと思います。

どこから来たの?と言う質問は他の国では会話を広げる目的で聞くこともある質問なので戸惑う人も多いかと思いますが、今の人の流れが活発な時代はこういったこと考え方や姿勢が大切になってくるし、自分自身考えさせられるいい機会になったなと感じます。

ということで今日はこの辺で終わりにします。ここまで読んでくださった方ありがとうございます。

また次の記事でお会いしましょう!

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